はじめまして。木下世希(本名:蔡 世欣)と申します。
2018年に来日し、東京にて活動しております。
在学中、個人的な興味から模型制作を学び始め、2022年より「木下世希」の名義で原型師としての活動を開始いたしました。
専門学校卒業後は、同級生と共に模型制作会社「彩縁堂」を立ち上げ、2025年より同社の代表を務めております。
現在も個人としての原型制作活動を継続しつつ、商業フィギュアの企画・制作にも携わり、オリジナル作品および商業案件の両面から模型制作に取り組んでおります
本作「酒呑童子」は、私が原型師として個人制作活動を始めてから最初に手がけた作品です。制作当時は、立体造形の経験も浅く、原画に対する理解も十分とは言えない状態で、多くの部分を手探りしながら制作していました。
イラストの再現という点でも、理解が至らなかった箇所は多々ありますが、当時の自分なりに、キャラクターが持つ雰囲気や空気感を立体で表現することを意識し、ひと目で存在感を感じてもらえる造形を目指しました。
完成後には、本作について改めて振り返り、反省を重ねました。その過程を通して、単に原画を忠実に立体化するだけではなく、ボリューム感やライン、造形のリズムを通じて、キャラクターの魅力や感情をより強く引き出すことこそが、自分の模型表現における本当の目標であると気づくことができました。
「酒呑童子」は私にとって、原型師としての出発点であり、今後の造形表現の方向性を明確にするきっかけとなった、大きな意味を持つ作品です。
「ヴィヴィアナ」は、私にとって二作目となる個人制作作品です。本作は、_Chuzenji_先生による原画を元に制作した立体作品となります。
制作にあたっては、原画が持つ独特的な雰囲気や空気感をできる限り損なわないことを前提に、ひとつの造形作品として成立する完成度を目指しました。原画をそのまま再現するのではなく、立体としての説得力やまとまりを意識しながら造形を進めています。
制作途中では、_Chuzenji_先生とも相談を重ねながら調整を行い、そのやり取りを通して現在的な形に落ち着きました。本作は全身像ではなく半身像(バストアップ)として構成しており、この点も他作品とは異なる特徴のひとつとなっています
背面に配置したキャンドルスタンドについても、造形・構成ともに何度も見直しを行いました。最終的には枝のモチーフを取り入れることで全体のバランスが整い、ようやく完成形に辿り着いた印象です。
「ヴィヴィアナ」は、試行錯誤や調整を重ねながら形になっていった作品であり、制作過程そのものが強く印象に残る一作となりました。
「バー ヴァンシー」は、私にとって三作目となる個人制作作品です。本作では、個人的な企画として『Fate/Grand Order』第2部第6章「妖精円卓領域」に登場する主要キャラクターたちを、シリーズとして立体化していく構想の中から生まれました。
構想段階では、キャラクターの「佇まい」や「落ち着き」を感じさせる表現を重視し、全体構図の軸として“円形のベース”と“下方向へ流れる視線”を意識しました。その中で何度も試行錯誤を重ねた結果、水面に映る月の手前で、木の上に腰掛け、静かに主人公の到来を待っているような情景へと収束していきました。
制作の途中では、物語中に登場する「魔女の家」をモチーフにした構成や、書物をベースとした案なども検討しましたが、いずれも完成イメージとして納得できるものには至らず、最終的には採用を見送りました。構成を削ぎ落としながら、キャラクターと情景の関係性をより明確にする方向へと調整を進めています。
その結果として完成した現在的な形は、私个人としては一定の手応えを感じられるものとなりました。一方で、制作完了後に改めて振り返ると、造形の密度や構造の整理、情景表現の詰め方など、まだ多くの課題が残っていることも強く実感しています。
「バー ヴァンシー」は、情景とキャラクターの関係性を通じて物語性を立体で表現しようと試みた作品であり、今後の制作においても重要な経験となった一作です。
アークナイツの「ウルビスフォリア」は、私にとって四作目となる個人制作作品であり、アークナイツのキャラクターを立体化するのは本作が二度目となります。
本作では、制作初期の段階から「パーツ数のコントロール」と、それに対する「全体表現の成立」を大きなテーマとして意識しました。限られた制作時間の中でも、一定以上の完成度と満足感を得られる作品にすることを目標とし、キャラクター本体だけでなく、周辺要素も含めた構図として成立する形を模索しています。
造形においては、工程量を必要以上に増やさないことを前提にしつつ、モデルとしての見映えやキャラクター性が損なわれないよう、各要素の取捨選択を行いました。また、過去作で感じた反省点を踏まえ、組み立てや制作の負担が過度にならないよう、制作者側の視点も強く意識して設計を進めています。
その結果、比較的シンプルな構成でありながらも、完成時には十分な存在感と満足度を得られる造形を目指した作品となりました。工程を抑えつつも、キャラクターの魅力をしっかりと感じてもらえることを意図した一作です。
「ウルビスフォリア」は、表現と制作負荷のバランスについて改めて向き合った作品であり、今後の造形方針を考える上でも重要な経験となりました。